沖縄の酔雲庵

沖縄二高女看護隊・チーコの青春

井野酔雲




創作ノート




秋山正美著『少女たちの昭和史』より




  • 小学校尋常科(6年)、高等小学校(2年)、中学校(男子)、高等女学校(4年)。
  • 当時の母の日は3月6日(皇后誕生日)。
  • 女子スポーツ   B体操・遊戯・競技(走技・跳技・投技)
            B球技(バレーボール・バスケットボール・ハンドボール・ドッジボール・テニス・卓球)
           B水泳・水球。
           Bスキー・スケート。
           Bヨット・乗馬・グライダー。
           B戦時に特有のもの(弓道・薙刀・運搬・行軍など)
  • 少女たちの夢(昭和2年)
1.偉い人。2.先生(教育者)、3.商人、4.裁縫師、5.奥さん、6.学者、7.芸術家、8.医師、9.看護婦、10.髪結師、11.女学生、12.職業婦人
  • 少女たちの夢(昭和7年)
1.給仕(ウエイトレス)、2.デパートの店員、3.交換手、4.家事見習い(住込女中)、5.貯金局
  • 少女たちの夢(昭和13年)
1.官公庁、2.銀行、3.民間会社の事務員。
  • 働く婦人たち
市電の車掌、バスの車掌、専売局の工員、給仕、デパートの店員、デパートのドアガール、エレベーターガール、看護婦、紡績工場の工員、劇場の入場券売り、劇場の案内係、芸者。
  • 高等女学校や職業教育を施す専門学校を卒業すれば、いわゆるエリートコースで、看護婦、医師、教員、弁護士(昭和8年から)、アナウンサーなどの道が開かれた。
  • 昭和4年の少女の日給は、高等小学校卒で平均80銭、高等女学校卒で平均1円だった。その後も大きくは変わらなかった。
  • 昭和10年、エレベーターガールの月給27円、観光バスガイドが46円。ただし、これらは再高額。
  • 昭和15年、就業1日10時間以内の女子工員の初任給は1214歳未満が日給4882銭、1416歳未満が5288銭、1618歳未満が5595銭。同年の男子より4047銭安かった。
  • 昭和4年、芸者の相場は新橋6円60銭、浅草4円50銭、尾久2円20銭(いづれも2時間当たり)。吉原の娼婦の泊まりは3円〜10円、玉の井では2円〜5円。
  • 少女雑誌は1部30銭〜50銭。
  • 『少女の友』は明治41年から昭和17年まで発行、戦後に復刊し昭和30年まで続く(実業之日本社)。
    川端康成、森田たま、吉屋信子らの小説や、中原淳一、松本かつぢの叙情画などが好評だったが、カラーページや読み物の豊富さ、大衆性といった点では大日本雄弁会講談社の『少女倶楽部』に及ばなかった。
    『少女倶楽部』の創刊は大正12年、終刊は昭和37年。
  • 少女小説は基本的に悲劇のヒロインが苦しみや悲しみの不幸をくぐり抜けて、ついに幸せに、というパターンが守られなくてはならない。たっぷり泣かせてからほっとさせるというハッピーエンドの作品が過半数を占める。
  • 少女小説のヒロインは例外なく純情でけなげで、しかも努力家であり、愛と献身と自己犠牲にあふれた少女。
    彼女を巡って、肉親、恩師、友人、行きずりの親切な人々などの好悪さまざまな心と心が入り乱れ、そこに病気、天災地変、遭難、事故、犯罪、予期せぬアクシデントなどが絡み合う。地位や階級の異なる二人の少女の間の麗しい友情と助け合いがあるかと思えば、その反対側には、いじめ役、憎まれ役の意地悪少女が必ずいる。
    少女小説に欠くことのできない調味料の一つは流転、さすらいである。物語のハッピーエンドにおいて多くの作品に共通しているのはヒロインが大都会で成功を収め、立場が安定し物質的にも恵まれ、ついに栄光に輝くというような設定。
  • 少女たちを夢中にさせた作品は加藤武雄『君よ知るや南の国(挿絵は須藤しげる)』、菊地寛『心の王冠(挿絵は富永謙太郎)』、北爪千代『春やいづこ』、西条八十『天使の翼』、佐々木邦『少女百面相』、佐藤紅緑『夾竹桃の花咲けば』、サトウハチロー『おさらひ横町』、古屋信子『あの道この道(挿絵は須藤しげる)』等。
  • 人気の挿絵画家は加藤まさを(明治30年生まれ、画家であり詩人でもある。『月の砂漠』の作詞者)、須藤しげる(明治31年生まれ)、蕗谷虹児(明治31年生まれ)。
  • 映画の封切り館は昭和5年で40銭、同14年に55銭、同17年に80銭が相場だった。
  • 高峰秀子(1924〜)は理想の少女だった。
  • シャーリー・テンプル(1928〜)を知らない少女はいなかった。
  • ディアナ・ダービン(1922〜)は『オーケストラの少女』で一躍世界的スターになる。
  • 昭和2年2月中旬、1万体を越す人形使節が横浜に到着する。
  • 昭和5年8月、宝塚月組公演『パリゼット』の主題歌として『すみれの花咲く頃』が歌われる。
  • 水の江滝子(1915〜)、松竹楽劇部。男装の麗人として昭和7年から14年まで爆発的な人気を集めていた。
  • 昭和7年5月9日、東海道本線大磯駅の裏手にある丘の中腹で24歳の慶大生、調所五郎と静岡県の資産家の娘で21歳の湯山八重子が服毒心中をした。天国に結ぶ恋。少女たちに異常なまでの興奮と感動を呼んだのは女性が処女だったから。
  • 昭和8年1月9日、伊豆大島の三原山で21歳の松本登代子が投身自殺。三原山は自殺の名所となり、同8年に女性140人を含む944人が自殺を謀った。




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